「コンクールなんて、音大出身者やプロを目指す人のものでは?」——そう思っている大人の方に、まずお伝えしたいことがあります。
いろいろなコンクールに、アマチュア部門があります。 音楽を職業としない人のための、大人のための挑戦の場が、きちんと用意されているのです。そして私は、大人のアマチュアの方にこそ、積極的に挑戦してほしいと考えています。応援します。この記事では、その理由と方法をお話しします。
なぜ挑戦する価値があるのか——3つの効果
コンクールと聞くと「順位を競う場」というイメージが先行しますが、大人のアマチュアにとっての価値は、実は結果そのものではありません。
1. 締切が、練習を変える。 「いつか仕上げたい」曲は、いつまでも仕上がりません。本番の日付が決まった瞬間、練習に逆算の設計が生まれます。この緊張感は、日々のレッスンだけでは得られないものです。
2. 客観的な評価がもらえる。 多くのコンクールでは審査員の講評がもらえます。自分の演奏が第三者の耳にどう届いているのか——これを知る機会は、大人になるとほとんどありません。講評は、次の1年の練習の指針になります。
3. 舞台が、音楽を深くする。 人前で、一度きりの演奏をやり切る経験は、練習室では絶対に到達できない集中を引き出します。挑戦した方は口を揃えて「景色が変わった」と言います。
アマチュア部門のあるコンクールの探し方
大人が挑戦できる場は、想像以上にたくさんあります。たとえばPTNA(全日本ピアノ指導者協会)のピアノコンペティションには、アマチュアのための「グランミューズ部門」があり、年齢やレベルに応じたカテゴリーで挑戦できます。ほかにも、アマチュア限定のコンクールや、大人の部門を設けた大会が全国で開催されています。
選ぶときのポイントは3つです。①レベル区分が自分に合っているか(初級〜上級までカテゴリー分けのある大会が挑戦しやすい)、②課題曲か自由曲か(自由曲の大会なら、いま取り組んでいる曲で挑戦できます)、③会場と日程が現実的か。最初の一歩は、予選会場が近く、自由曲で出られる大会がおすすめです。
準備の進め方——本番から逆算する
挑戦を決めたら、準備は本番からの逆算で設計します。目安として、本番3ヶ月前までに選曲と譜読みを終え、2ヶ月前から仕上げ、1ヶ月前からは人前で弾く練習を入れます。
特に大切なのが最後の「人前で弾く」段階です。家では弾けるのに本番で崩れる——これは技術不足ではなく、本番の練習不足です。レッスンで通して弾く、家族の前で弾く、録画する。緊張状態での演奏を練習しておくことが、当日のあなたを守ります。
選曲も勝負の半分です。背伸びした難曲より、余裕を持って音楽を語れる曲の方が、審査では確実に評価されます。ここは指導者と相談して決めるのが近道です。
当教室から、入賞者が出ています
最後に、当教室のことを少しだけ。
当教室では、コンクールに挑戦する大人の生徒さんを、選曲から講評の読み解きまで一貫してサポートしています。そして、当教室からコンクールに入賞されている生徒さんがいます。 大人から本気で取り組んだ方が、実際に結果を出しています。
私自身も国際コンクールでの入賞経験があり、「審査員は何を聴いているか」を、審査される側として知っています。挑戦してみたい気持ちが少しでもあるなら、まずはご相談ください。あなたに合った大会選びから、一緒に考えます。